鶴亀つるかめ)” の例文
旧字:鶴龜
鶴亀つるかめ、鶴亀。……壇ノ浦とは、地形がちがう。鎌倉の海では、さはさせん。たとえ敵が来るとも、さはさせん」
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
尾張・三河の方面では三月のひなの節供の日に、やはり米の団子をもってたい鶴亀つるかめ七福神しちふくじんまでも製作した。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「どうです。こう天気続きでは、米が出来ますでしょうなあ」「さようさ。又米が安過ぎて不景気と云うような事になるでしょう」「そいつあかないませんぜ。鶴亀つるかめ鶴亀」
百物語 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
何処からか持って来た箱のなかから鶴亀つるかめの二幅対を取出して、懸けてながめたりしていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
平次は鶴亀つるかめの松の前に、棒のように突っ立ちました。
番組は「鶴亀つるかめ」、「初時雨はつしぐれ」、「喜撰きせん」で、末にこのみとして勝三郎と仙八とが「狸囃たぬきばやし」を演じた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
鶴亀つるかめ、いい当てるということがあら。第一、うちの親分は至ってたのもしくねえ」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)