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鴫沢
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しぎさわ
ふりがな文庫
“
鴫沢
(
しぎさわ
)” の例文
旧字:
鴫澤
彼が
鴫沢
(
しぎさわ
)
の家に在りける日宮を恋ひて、その優き声と、
柔
(
やはらか
)
き手と、温き心とを得たりし彼の満足は、何等の
楽
(
たのしみ
)
をも以外に求むる事を忘れしめき。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
前掲
(
ぜんけい
)
の萩の茶屋に住んでいる老婦人というのは
鴫沢
(
しぎさわ
)
てるといい
生田
(
いくた
)
流の
勾当
(
こうとう
)
で晩年の春琴と温井検校に親しく仕えた人であるがこの勾当の話を聞くに
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
婆は
鴫沢
(
しぎさわ
)
の前にその趣を述べて、投棄てられし名刺を返さんとすれば、手を
後様
(
うしろさま
)
に
束
(
つか
)
ねたるままに受取らで、
強
(
し
)
ひて
面
(
おもて
)
を
和
(
やはら
)
ぐるも苦しげに見えぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
鴫沢
(
しぎさわ
)
てる女その他二三の人の話によると
賊
(
ぞく
)
はあらかじめ台所に
忍
(
しの
)
び
込
(
こ
)
んで火を起し湯を
沸
(
わ
)
かした後
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
生家
(
さと
)
なる
鴫沢
(
しぎさわ
)
にては薄々知らざるにもあらざりしかど、さる
由無
(
よしな
)
き事を告ぐるが如き
愚
(
おろか
)
なる親にもあらねば、宮のこれを知るべき
便
(
たより
)
は絶れたりしなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
鴫沢
(
しぎさわ
)
てる女はいう、お弟子さんはほんに少うござりましたが中にはお師匠さんのご器量が目あてで習いに来られるお人もござりました、素人衆は大概そんなのが多かったようでござりますと。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
鴫
漢検準1級
部首:⿃
16画
沢
常用漢字
中学
部首:⽔
7画
“鴫沢”で始まる語句
鴫沢隆三
鴫沢一家