“しぎさわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
鴫沢66.7%
鴫澤33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼が鴫沢しぎさわの家に在りける日宮を恋ひて、その優き声と、やはらかき手と、温き心とを得たりし彼の満足は、何等のたのしみをも以外に求むる事を忘れしめき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
前掲ぜんけいの萩の茶屋に住んでいる老婦人というのは鴫沢しぎさわてるといい生田いくた流の勾当こうとうで晩年の春琴と温井検校に親しく仕えた人であるがこの勾当の話を聞くに
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
婆は鴫沢しぎさわの前にその趣を述べて、投棄てられし名刺を返さんとすれば、手を後様うしろさまつかねたるままに受取らで、ひておもてやはらぐるも苦しげに見えぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
鴫沢しぎさわてる女その他二三の人の話によるとぞくはあらかじめ台所にしのんで火を起し湯をかした後
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
鴫澤しぎさわ庄右衛門を殺したのも、一つは澄江への恋心を、遮られたがためであった。敵持つ身となった原因、それが澄江であるほどの、澄江は陣十郎の恋女であった。
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
鴫澤しぎさわ氏、主水殿! 敵水品陣十郎を追い詰め、見事に復讐をお遂げなされ! 拙者、要介、秋山要介、貴殿の身辺に引き添って、貴殿あやうしと見て取るや、出でて
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
おお汝らは鴫澤しぎさわ兄妹、何の見忘れてよかろうぞ、汝らの父親庄右衛門のために、堪忍ならぬ恥辱を受け、武士の面目討ち果し、立ち退いて来たこの拙者だ、何の見忘れてよかろうぞ。
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)