鳴鶴めいかく)” の例文
文正の鳴鶴めいかくがありましたり元信の山水に応挙の花鳥、狙仙そせんの猿……恐らく博物館に陳列されましたお寺方の絵ですと、大抵一通りは写してあります。
座右第一品 (新字新仮名) / 上村松園(著)
鳴鶴めいかくとか、巌谷いわやとかいう人が最も刺激を受けまして、筆を使うにしても懸腕直筆というようなものが流行りまして、一種の型を作ったのでありましたが
よい書とうまい書 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
これはどういう訳でこんな事をするか、巌谷一六翁が何に就いてこんな癖を学んだか、鳴鶴めいかく翁が何に就いて習ったか、そこの書生等に探りを入れて聞いたのであります。
一六いちろく鳴鶴めいかくはもちろんのこと、三洲さんしゅう梧竹ごちく、いずれも書道の根本を弁えそこなった結果、方向を誤って、書は手先の能くする所と合点し、書道に筆ばかりをり減らしたものだ。
鳴鶴めいかく巌谷いわや一六いちろく)に比べれば書家離れして、こなれているところもあり調子も高いが、しかし、根本的に見ればやはり、鳴鶴、一六などと同じく書家流にとらわれていて、中味が貧弱である。
現代能書批評 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)