鳥羽伏見とばふしみ)” の例文
鳥羽伏見とばふしみに敗走した将軍慶喜よしのぶ東帰して、江戸城内外戦火を予期して沸騰するさなかから、芝新銭座しばしんせんざに「慶応義塾」が産声うぶごえをあげた。
福沢諭吉 (新字新仮名) / 服部之総(著)
鳥羽伏見とばふしみの乱に、慶喜が政治に失敗してから、各方面の総督として利用され、薩・長・土などにあごで使われるままに、その一身をゆだねたのであった。
私たちはよく鳥羽伏見とばふしみの戦いで薩長方の鉄砲に手を焼いた新撰組しんせんぐみ豪傑ごうけつのような口をきいた。
安い頭 (新字新仮名) / 小山清(著)
ここへきて、ふたたび、戦火の糜爛びらんがひろがり、範囲も西は山崎、鳥羽伏見とばふしみ。みなみは木幡こばた、奈良ぐち、阿弥陀ヶ峰。ひがしは近江から北は若狭路わかさじにまでなって来たには理由がある。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鳥羽伏見とばふしみのいくさに敗れて東帰するまでの三年間、新撰組如上の本質に、何一つ変化がなかったばかりか、隊士の離合、隊勢の発展のたびごとに、いよいよ本来の姿を明確にしてゆく。
新撰組 (新字新仮名) / 服部之総(著)