骨上こつあ)” の例文
電気炉でんきろによる火葬、骨上こつあげと順序よく運んで、午後三時には、雪子さんの御霊みたまは、もう告別式会場のA斎場に安置されていた。
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
僕は、腹がへっていたから、すぐに一つとって口へ入れた。そこへ大学の松浦先生が来て、骨上こつあげのことか何か僕に話しかけられたように思う。
葬儀記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
検屍やら骨上こつあげやら葬式やらと、福介と二人で何から何迄仕切ってやってのけ、大阪で初七日を済まし、奉行所の手続きもすっかりえてから
私は丁度その朝は、なき初代の骨上こつあげが行われることを知っていた。アア、私はかつての恋人の悲しき灰を見る為に、いまわしい場所を訪れたのである。
孤島の鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)