トップ
>
駈引
>
かけひ
ふりがな文庫
“
駈引
(
かけひ
)” の例文
悪罵
(
あくば
)
、
奔走
(
ほんそう
)
、
駈引
(
かけひ
)
きは、そののち永く、ごたついて尾を引き、人の心を、生涯とりかえしつかぬ程に
歪曲
(
わいきょく
)
させてしまうものであります。
女の決闘
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
大挙して突進すると鬼が誰をつかまえようかと
狼狽
(
あわて
)
る、それが
附目
(
つけめ
)
なのである。下駄が一ツ二ツ残ると、それからが
駈引
(
かけひ
)
きで面白く興じるのだ。
旧聞日本橋:02 町の構成
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
はたしてどんな
駈引
(
かけひ
)
きのもとに、目まぐるしい三つ
巴
(
どもえ
)
の戦法がおこなわれるか、風雲の急なるほど、裾野のなりゆきは、いよいよ
予測
(
よそく
)
すべからざるものとなった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ボロ服の乞食姿で、子供を二人も連れている色魔もないものですが、しかし、
幽
(
かす
)
かに私には心理の
駈引
(
かけひ
)
きがあったのです。
たずねびと
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
つまりね、教育というものは、そんな、お父さんの考えているような、心の
駈引
(
かけひ
)
きだけのものじゃないという事が、ぼんやりわかって来たのです。
新ハムレット
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
▼ もっと見る
「そうとも、そうとも。功利性のごまかしで、うまく行く筈はないんだ。おとなの
駈引
(
かけひ
)
きは、もうたくさんだ。」
パンドラの匣
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
あの人たちのする事は、一から十まで心理の
駈引
(
かけひ
)
き、巧妙卑劣の
詐欺
(
さぎ
)
なのだから、いやになる。僕は、ゆうべ、やっと
判
(
わか
)
って、判ったら、ぎょっとした。あの人たちは、おそろしい。
新ハムレット
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
どうも私は
駈引
(
かけひ
)
きという事がきらいで、いや、駈引きしたいと思っても、めんどうくさくて、とても出来ないたちですので、ちょっと気まずくても、ありのままを言う事にしているのです。
嘘
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
ハムレットさまひとりが、計略だの曲者だの、
駈引
(
かけひ
)
きだのとおっしゃって、いかにも周囲に、悪い人ばかりうようよいるような事をおっしゃって、たいへん緊張して居られますが、
滑稽
(
こっけい
)
だわ。
新ハムレット
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
私はあなたを、少しの
駈引
(
かけひ
)
きも無く、厳粛に根強く、尊敬しているつもりでありますけれども、それでも、先生、とお呼びする事に
就
(
つ
)
いては、たいへんこだわりを感じます。他意はございません。
風の便り
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
駈
漢検準1級
部首:⾺
15画
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
“駈引”で始まる語句
駈引等