駆付かけつ)” の例文
旧字:驅付
夜が清々すがすがと明放れた頃には、智恵子はモウ一人で便所にも通へぬ程に衰弱した。便所は戸外そとにある。お利代が医師いしや駆付かけつけた後、智恵子はこらへかねて一人で行つた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
その傍には根本家と記した高張提燈たかはりぢやうちんが、月が冴々さえ/″\しく満面に照り渡つて居るにもかゝはらず、極めておぼろげに立てられてあるが、自分はそれと聞いて、驚いて、其傍に駆付かけつけて
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)