飽慾ほうよく)” の例文
ただその利は、自分一個で飽慾ほうよくしようとは致しません。困苦の底にいる万民におわかちください。それが私の希望であり、また私の商魂と申すものでございます
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
またたちまち破壊し去ったり情痴と飽慾ほうよくをし尽したり、自解して腐敗をさらしたり、戦ったり、和したり、歓楽におごったり、惨たる憂き目にただよったり——一律の秩序あるごとくまた
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
悪貨あっか濫発らんぱつが、いかに正直な細民生活を、底の底までへ、みじめに、突き落しているか、幕府の一部大官たちのみに、いよいよ飽慾ほうよく享楽きょうらくの資をゆたかにさせているか、赤穂の田舎にいても
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)