食通しょくつう)” の例文
食通しょくつう間では、ごりの茶漬けを茶漬けの王者と称して珍重ちんちょうしている。しかし、食べてみようと思えば、たいしてぜいたくなものではない。
京都のごりの茶漬け (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
牛の脊髄せきずいのスープとったような食通しょくつう無上むじょうに喜ばせる洒落しゃれた種類の料理を食べさせる一流の料理店からねぎのスープを食べさせる安料理屋に至るまで、巴里の料理は値段相当のうまさを持っている。
異国食餌抄 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
こんなえびは誰の目にも無論見事だし、一尾ずつで上等のてんぷら種になる材料だから、よほど経験のある食通しょくつうでなければ、やってのける度胸は出まい。
車蝦の茶漬け (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
しかし、これにもまたいろいろ長短があり一概いちがいにはいえぬが、実はこれを見破みやぶるほどの食通しょくつうもいないので、商売繁昌はんじょう、客にもわかる人はきわめて少ない。
握り寿司の名人 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
京都あたりでは引き出しこぶといって、なべの一方からこぶを湯に入れて、底をくぐらして、一方から引き上げる、こうしたやり方をしていますが、これでありますと、どんなやかましい食通しょくつうでも満足し
日本料理の基礎観念 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)