食代くいしろ)” の例文
金では取れないと見ると帳場は立毛たちけうちに押収してしまう。従って市街地の商人からは眼の飛び出るような上前うわまえをはねられて食代くいしろを買わねばならぬ。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
それでみなが寄りあい、腹を割って相談した結果、島裏しまうらの潮の流れが通っているところには、かならず魚が寄っているはずだから、日向組のはしけで島裏へ行き、魚をとって食代くいしろをふやすことになった。
藤九郎の島 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)