願解がんほど)” の例文
「石秀さん、留守を頼むよ。今日はの、それ……わしの死んだ家内の血盆経けつぼんきょう願解がんほどきでな」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
看経かんきん二タとき、巧雲は、御本尊の地蔵菩薩ぼさつまでが、いつかしら裴如海はいにょかいの色白な顔に見えてきて、るると乱れる香煙の糸もあやしく、心は故人の願解がんほどきどころか、わが生身なまみ願結がんむすびで、うつつはなかった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)