頭文字イニシャル)” の例文
ナイフにり込まれた頭文字イニシャルって私の作り上げた推理を、まだ意地悪く信じていたかったので、矢島五郎——と聞いた時に、いささか昂奮こうふんしてしまった。
カンカン虫殺人事件 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
頭文字イニシャルもないので、誰の荷物とも判定の下しようもないが、其処へ置き放しにする訳にもいかないので、掃除婦ベリイマンは、何心なく、そのスウツケイスの掛金に指を当ててみた。
アリゾナの女虎 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
まあそのときは、鼻紙に金でもって頭文字イニシャルでも入れることですネ。
科学が臍を曲げた話 (新字新仮名) / 海野十三丘丘十郎(著)
と、あざやかにG・Yと刻んだ二文字の英字が見えて来た。途端に、私の頭の中で電光の様な推理がひらめいた。G・Y——とは、「山田源之助」をローマ字綴りにした場合の頭文字イニシャルの配列である。
カンカン虫殺人事件 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
『君、こりゃあ山田源之助の頭文字イニシャルだ。犯人は源之助なんだね。』
カンカン虫殺人事件 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)