鞠躬きっきゅう)” の例文
徳川のそんする限りは一日にてもそのつかうるところに忠ならんことをつとめ、鞠躬きっきゅう尽瘁じんすいついに身を以てこれにじゅんじたるものなり。
『開元天宝遺事』に商山の隠士高太素、一時ごとに一猿ありて庭前にいた鞠躬きっきゅうしてく、なづけて報時猿とすと、時計の役を欠かさず勤めた重宝な猿松だ。
明治中興大学少助教ニぬきンデラレ、山梨県徽典館ニ掌教タリ。旧ヲ改メ新ヲクヤ群議沸騰ス。鞠躬きっきゅう緒ニ就ク。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
この時まで、お銀様の後ろ影を踏まざること二丈ばかりの間隔を置いて、鞠躬きっきゅうとしていた手代風のと馬子と、それに従う極めて従順なる一頭の駄馬とを、米友が流し目に見ました。
大菩薩峠:35 胆吹の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)