靴刷毛くつはけ)” の例文
障子にさした足袋たびの影はいつしか消えて、はなった一枚の間から、靴刷毛くつはけはじが見える。えんは泥だらけである。ひらほどな庭の隅に一株の菊が、清らかに先生のひんを照らしている。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)