面當つらあ)” の例文
新字:面当
一つは繼母けいぼを擧げた石原の利助への面當つらあてもあつたでせうが、兎に角、この時代には、こんな形式の捕物も決して珍らしくはなかつたのです。
それでは、何だかひどく下等な「面當つらあて」みたいだ。まさかあの聖諦の乙姫が、そんな長屋の夫婦喧譁みたいな事をたくらむとは考へられない。どうも、わからぬ。
お伽草紙 (旧字旧仮名) / 太宰治(著)
おかん なに、あいつ等へ面當つらあてさ。
権三と助十 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
「お願ひだ、殺してくれ。俺はもう生きるせいも張合も拔けた——二十年この方、女房まで追ひ出して、食ふや食はずでめた金だ。せめて盜んだ野郎へ面當つらあてに、頸でもくゝつて死んでやつてよ、化けて出てうらみが言ひてえ」