青色せいしょく)” の例文
そして軽食ランチの膳立であろう、うまそうな品々がならべてあった。やがて正面の玄関口に廻ってみると、そこには二つの土耳古トルコ青色せいしょくの植木鉢が両側に控えていた。
観光団員の一人は、鼠色のセメントの壁面に挿まれた、青色せいしょくの急階段のなかばで、よろよろと倒れかかった。顔が真っ蒼になっている。慌てて、その男を誰かが引っ擁えて下へ降りた。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
青色せいしょくだの紅色こうしょくだの又は紫などを愛するものは之に中し、や赤を好む者は子供か又は劣等なる地位に居るものと言うて良い、て是から猫は如何なる染色を好むかに就て述べるのであるが
猫と色の嗜好 (新字新仮名) / 石田孫太郎(著)
きばの六つある大白象だいびゃくぞうの背に騎して、兜率天とそつてんよりして雲を下って、白衣の夫人の寝姿の夢まくらに立たせたまう一枚のと、一面やや大なる額に、かの藍毘尼園中らんびにおんちゅう、池に青色せいしょく蓮華れんげの開く処。
夫人利生記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)