青天井あおてんじょう)” の例文
それでも入らぬよりましと笑って、我慢がまんして入った。夏になってから外で立てた。いども近くなったので、水は日毎に新にした。青天井あおてんじょうの下の風呂は全く爽々せいせいして好い。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
きょうもおんなじ青天井あおてんじょうだよ。道のほとりにかばんを拡げて。スカラカ、チャカポコ外聞晒す。いわく因縁、故事、来歴をば。たたく木魚に尋ねてみたら……スカラカ、チャカポコ。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
双方の最初のごあいさつの交換こうかんだけは、この青天井あおてんじょうの下でお願いしたいと思います。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
かごにのって青天井あおてんじょうのすすはきしにお月さまより高くのぼるおばあさん、おくつの中に子供をどっさりいれてしまつにこまるおばあさん、挽割麦ひきわりむぎ三斤さんぎんぬすんでお菓子をこさえる王さまや
まざあ・ぐうす (新字新仮名) / 作者不詳(著)
わたしたちはどうせ、どこかただでとまる青天井あおてんじょうの下を見つけさえすればいいのだから、なにより、あしたの食べ物を買うぜにをいくらかでももうけることが、さし当たっての問題であった。
時候じこうはよし、あたたかい、いい天気であった。だから青天井あおてんじょうの下にねむることはさしてむずかしいことではなかった。ただこのへんに悪いおおかみでもいるようなら、それをさけるようにすればよかった。