青地あおじ)” の例文
どことなくきざにえる、そのおとこはサングラスをかけ、青地あおじふくて、毎日まいにち空気銃くうきじゅうち、この付近ふきんをぶらついていました。
春はよみがえる (新字新仮名) / 小川未明(著)
継母のおまんは半蔵のために青地あおじにしきの守り袋を縫い、妻のお民は晒木綿さらしの胴巻きなぞを縫ったが、それを見る半蔵の胸にはなんとなく前途の思いがおごそかに迫って来た。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
桜の花さく河岸かしの眺め(第五図)は直ちに新緑したた元柳橋もとやなぎばしの夏景色(第六図)と変じ、ここにつつみを背負ひし男一人橋の欄干に腰かけ扇を使ふ時、青地あおじ日傘ひがさ携へし女芸者二人話しながら歩み行けり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)