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靉
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たなび
ふりがな文庫
“
靉
(
たなび
)” の例文
恐と望とに狂ひ歡ぶ無數の眼が髣髴として乳色の光を放ち天の一方に
靉
(
たなび
)
いてゐる。多くの魂はこの眞珠の光を散らして
天
(
あま
)
の
川
(
がは
)
を登つて行く。
さしあげた腕
(旧字旧仮名)
/
レミ・ドゥ・グルモン
(著)
どちらの空を見ても、
清朗和順
(
せいろうわじゅん
)
の気がただよっているのに、金座の上だけに、なにやら
悪湿
(
あくしつ
)
の気が
靉
(
たなび
)
いている。
顎十郎捕物帳:07 紙凧
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
姫は、緑青を盛って、層々うち重る楼閣
伽藍
(
がらん
)
の屋根を表した。数多い柱や、廊の立ち続く姿が、
目赫
(
めかがや
)
くばかり、朱で
彩
(
た
)
みあげられた。むらむらと
靉
(
たなび
)
くものは、紺青の雲である。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
いくら子供でも、男と女は矢張男と女、學校で一緒に遊ぶ事などは殆ど無かつたが、夕方になると、家々の軒や破風に夕餉の煙の
靉
(
たなび
)
く街道に出て、よく私共は寶奪ひや鬼ごッこをやつた。
二筋の血
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
いくら子供でも、男と女は矢張男と女、学校で一緒に遊ぶ事などは殆んど無かつたが、夕方になると、家々の軒や破風に
夕餉
(
ゆふげ
)
の煙の
靉
(
たなび
)
く街道に出て、よく私共は宝奪ひや鬼ごツこをやつた。
二筋の血
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
山腹の紫は、雲となって
靉
(
たなび
)
き、次第次第に
降
(
さが
)
る様に見えた。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
靉
漢検1級
部首:⾬
25画
“靉”を含む語句
靉靆
靉河
靉日
奇靉
妖気靉靆
悠遠靉靆
靉々
靉然
靉靆垂布
靉靆朦朧
靉靆模糊