電気エレキ)” の例文
旧字:電氣
目鋭めざとい叔父は直にそれて取つて、一寸右のひぢで丑松を小衝こづいて見た。奈何して丑松も平気で居られよう。叔父の肘がさはるか触らないに、其暗号は電気エレキのやうに通じた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
博士はその賞与を掌面てのひらに握つたまゝ、何につかつたものかと小首をかしげた。その瞬間専門の電気エレキのやうに博士の頭の中を突走とつぱしつたものがあつた。それは他でもない駱駝のシヤツであつた。
指をさすと電気エレキを感じたようにくるりと廻って、小犬はちょろちょろと駈け上る。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)