雪花ゆき)” の例文
時によっては好い景色とも見られるであろうが、午後から何だか、寒さが増して陰気な空模様に変ったと思っていたら、雪花ゆきがちらりちらり散って来た。
狂乱 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
およそ物をるに眼力がんりきかぎりありて其外そのほかを視るべからず。されば人の肉眼にくがんを以雪をみれば一片ひとひら鵞毛がまうのごとくなれども、十百へん雪花ゆき併合よせあはせて一へんの鵞毛をなす也。
十二月の初旬のころでところどころ薄陽うすびしている陰気な空から、ちらりちらり雪花ゆきが落ちて来た。
狂乱 (新字新仮名) / 近松秋江(著)