雪江せっこう)” の例文
何故だか独りでめて掛って、惨澹たる苦心の末、雪江せっこう一代の智慧を絞り尽して、其翌日の昼過ぎ本郷の一友人を尋ねて、うそ八百をならべ立て
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
初恋がしもげて物にならなかった事を書いたのだからとて、題は初霜だ。雪江さんの記念に雪江せっこうと署名した。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
若し此事が六号活字子ごうかつじしの耳に入って、雪江せっこうの親達は観世撚かんぜよりってるそうだ、一寸ちょっとちんだね、なぞと素破抜すっぱぬかれては余り名誉でないと、名誉心も手伝って、急に始末気しまつぎを出し
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)