雅楽ががく)” の例文
この踊りは、一種異様なる見物みものであります。古代の雅楽ががくの如く、中世の幸若こうわかに似たところもあり、衣裳には能狂言のままを用いたようでもある。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「私は紫色が朱色を圧して流行しているのを憎む。𨜟声ていせい雅楽ががくを乱しているのを憎む。そして、口上手な人が国家を危くしているのを最も憎む。」
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
……そして、雅楽ががくとしての琵琶をおまなびですか、平家などの語り物を御会得ごえとくなさりたいおつもりですか
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
冥想的めいそうてきな哲学的なこころにひたされて、教授はいつまでもそのまえにすわろうとせられました。またそれとともに一方では古代的な要素を多く含んでいる雅楽ががくにも異常な興味を感ぜられました。
友人の紹介によって、始めて雅楽ががくの演奏というものを見聞する機会を得た。
雑記(Ⅰ) (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
一時雅楽ががくは平安朝の宗教全盛期と共に大いに起ったけれども、僅かに三、四曲の大阪の天王寺辺にその余韻よいんを止むるばかりで、その他は全くほろび了り、淫猥なる三味線がもっぱら温柔郷裡に跋扈ばっこ
婦人問題解決の急務 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
「なぜだってお前……鄭声ていせい雅楽ががくを乱るをにくむ、と孔子様が仰せになりました」
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
鄭声ていせい雅楽ががくを乱すをにくむ」
大菩薩峠:28 Oceanの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)