随所ずいしょ)” の例文
旧字:隨所
逃亡した提轄ていかつ魯達にたいしては、天下の随所ずいしょ、いついかなる土地なりと、見つけ次第に逮捕たいほ処分構いなし、の令が出された。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
歌劇としてはそんなに面白いものではないが、随所ずいしょに出て来るイタリー風の美しい詠唱が有名だ。ダル・モンテなどのレコードに良いのがある。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
それがほんとうに生きる道でもあるんだ。随所ずいしょに主となる。そんな言葉があったね。じたばたしてもはじまらん。わかるかね、私のいっていることが?
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
従ってうなぎ談義が随所ずいしょに花を咲かせる。うなぎ屋もこの時とばかり「土用のうしの日にうなぎを食べれば健康になる」とか「夏やせが防げる」とかいって、宣伝にいとまがない。
鰻の話 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
しゅんのうちに、おそろしいこんらんのまくがあいた。げる、わめく、得物えものをとる。そして、同志討どうしうちが随所ずいしょにはじまる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その開かぬことを人生の不運となげいたりして、龍平と同じ努力をやることが処生の随所ずいしょにあるような気もします。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)