随一ずいいち)” の例文
旧字:隨一
壮士連はことごとく子路の明快闊達に推服した。それにこの頃になると、既に子路の名は孔門随一ずいいちの快男児として天下にひびいていた。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
一言にしていえば、ロロー殿下は海底大陸における随一ずいいちのインテリでもあり、また随一の冒険児でもあったのだ。
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)
為替かわせしてきらめくものをつかませて、のッつッつの苦患くげんを見せない、上花主じょうとくいのために、商売冥利みょうり随一ずいいち大切なところへ、偶然受取うけとって行ったのであろうけれども。
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
虫の中でも人間に評判のよくないものの随一ずいいちうじである。「蛆虫めら」というのは最高度の軽侮けいぶを意味するエピセットである。これはかれらが腐肉ふにく糞堆ふんたいをその定住の楽土らくどとしているからであろう。
蛆の効用 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)