陸羯南くがかつなん)” の例文
それは日本新聞社長の陸羯南くがかつなん氏から発したもので、子規居士が病気で神戸病院に入院しているから余に介抱に行けという意味のものであった。
子規居士と余 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
わたくしが今蘭軒を伝ふることの難きは、さきに渋江抽斎を伝ふることの難かりし比では無い。抽斎と雖、人名辞書がこれを載せ、陸羯南くがかつなんが一たびこれが伝を立てたことがあつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
徳富蘇峰そほう陸羯南くがかつなん、黒岩涙香るゐかう遅塚ちづか麗水等の諸氏の作品は暫く問はず、山中未成氏の書いた通信さへ文芸的には現世に多い諸雑誌の雑文などに劣るものではない。のみならず、——
これは谷干城たてき氏が我同胞が西洋にのみ心酔して日本という事を忘れるのを憤慨して、それを覚醒するために発刊したので、名さえも日本と名づけて主筆としては、陸羯南くがかつなん氏を用いた。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)