のぞか)” の例文
落日の華やかさもなく、けさがたからの風は蕭々しょうしょうと一日じゅう吹き続けたまま暮れて行くのであるが、翁には心なしか、左手の垂れ雲の幕の裾が一二尺かすのぞかれて行くように思われた。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)