阿闍梨あじやり)” の例文
今の三一阿闍梨あじやり何某なにがし殿の三二猶子いうじにて、ことに三三篤学修行の聞えめでたく、此の国の人は三四香燭かうしよくをはこびて帰依きえしたてまつる。
現に将門を滅ぼす祈祷きたうをした叡山えいざん明達めいたつ阿闍梨あじやりの如きも、松尾明神の託宣に、明達は阿倍仲丸の生れがはりであるとあつたといふことが扶桑略記ふさうりやくきに見えてゐるが、これなぞは随分変挺へんてこな御託宣だ。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
叡山に五大院を構へ屏居へいきよして出でず、著述を事とす、元慶八年勅して元慶寺の座主ざすたらしめ、伝法阿闍梨あじやりに任ず、終る所を記せず、世に五大院の先徳と称し、又阿覚大師と称す、著、悉曇蔵しつたんぞう八巻あり
一身阿闍梨あじやり宣下せんげあり。二品に叙せられさせ給ふ。
能久親王年譜 (新字旧仮名) / 森鴎外森林太郎(著)
自ら住持となりし万豪阿闍梨あじやりと申す者にはべり。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)