関取せきとり)” の例文
旧字:關取
「伊賀の『関取せきとり』と来たら何しろ東京の鮨屋がこれでないと夜も明けない日も暮れないと言うのですから、全く天下無敵です」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
くずれようとする幸吉を、長庵がくようにしていた。何事か?——と出て来た数人の家来けらい達に取りまかれて、関取せきとりのように大きな山城守が、スックと立って幸吉を見下ろしていた。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
今日はこれから、本式の関取せきとりが来て、稽古をつけるのだということ。
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
亭主ていしゅ多吉たきち深川ふかがわの米問屋へ帳付けにかよっているような人で、付近には名のある相撲すもう関取せきとりも住むような町中であった。早速さっそく平助は十一屋のあるところから両国橋を渡って、その家に半蔵をたずねて来た。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)