間詰まづめ)” の例文
ささ間詰まづめ、お庭の者、などと称される隠密の役は、駿河台の甲賀組、四谷の伊賀組、牛込の根来ねごろ組、こう三ヵ所に組屋敷があった。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
半十郎は大筒役組下同心、喜三郎は玉薬奉行属役、どちらも焼火やけひ間詰まづめで、同年の二十五歳である。
ひどい煙 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
躑躅つつじ間詰まづめの御子息へ、縹緻きりょうのぞみで貰われて、半年たたぬ間に里へ帰され、出戻りの身をぶらぶらしているお米であった。隠してはいるが、年はもう二十四、五。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
時の勘定奉行萩原近江守はぎわらおうみのかみが、小判の直吹じかぶき制度を採用することになり、本郷霊雲寺わきの大根畑(地名)に幕府直属の吹所ふきどころ(鋳造所)をつくり、諸国の金座人をここへ集め、金座を芙蓉ふよう間詰まづめ
顎十郎捕物帳:07 紙凧 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)