鐙小屋あぶみごや)” の例文
良斎はじめ一座が、自分たちながら忘れ方もここまで来ては、むしろ非人情に近いことをじねばならない。それを鐙小屋あぶみごやの神主は
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
こうして、兵馬と鐙小屋あぶみごやの神主とが、心安げに会話をしているのを、傍に立って聞いている仏頂寺と、丸山の二人のかおの苦々しさ。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
鐙小屋あぶみごやの神主さんは、また室堂むろどうへ上ってぎょうをしておいでなさるのだから、誰もそのほかに、あの沼の傍へ立入る者は無いはずです。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
鐙小屋あぶみごやへいらっしゃるのでしょう。留守ですよ、あそこは。神主様は室堂むろどうへ行って、おりません……ええ、先廻りをして見届けて参りました。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そうして、わたしはこの鐙小屋あぶみごやを出た時に、明暗二つの世界の中に、浮いたり沈んだりするような心持でありました。
大菩薩峠:25 みちりやの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
小梨平には鐙小屋あぶみごやというのがありました。先日、竜之助はお雪の案内で、そこまで散歩を試みたことがあるのです。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
鐙小屋あぶみごやの神主様のお力というわけでもござりませぬ、全く目に見えぬ広大な御力の引合せでございまして、この広大な御力が何故に、わたくしをたずねる人の
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
さりとて、鐙小屋あぶみごやの神主殿のかおが、白日の下に、明る過ぎるほど明るかったと思うのも、ものの不思議。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
例の鐙小屋あぶみごやの神主をも一応おとずれて行こうと、無名沼ななしぬまのほとりに来て見れば、なるほど、小屋はあるが人が無い。多分、山上へ修行にでも行って留守なのだろう。
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「そうでござんしょう、そうでなければ、とうにわしの事は聞いておいでのはずじゃ。わしはな、この上の無名沼ななしぬまのほとりの鐙小屋あぶみごやというのにいる神主でござんすよ」
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ああ、そうそう、今日は珍しく鐙小屋あぶみごやの神主さんが来られたそうで、廊下で先ごろ北原さんから案内を受けたが、行く気にならないものだから御無沙汰ごぶさたをしてしまった。
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
白骨谷しらほねだにが急に陥没して、こんな大きな湖になろうとは思われないし、木梨平の鐙小屋あぶみごやの下の無名沼ななしぬまが、一夜のうちに拡大して、こんな大きな池になろうとも考えられない。
大菩薩峠:30 畜生谷の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ほどなく薯虫いもむしが蟻に引きずられて行くように、この大兵の後家さんが、男妾の浅吉に引っぱられて、沼の岸を逆に戻って行く姿が見えましたが、やがて鐙小屋あぶみごやの前へ来ると
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
鐙小屋あぶみごやの神主というのにとっつかまって、あぶなくはらい給えを食いそうなのをひっぱずして白骨へ来て見ると、忘れ物もとんと要領を得ない上に、君ももう出立してしまった後なんだ。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
その笑い声が、晴れた日につづみでも鳴らすような、さえざえした陽気な笑い声で、この辺に、こんな陽気な笑い声を持っている者はほかにはありません、それは鐙小屋あぶみごやの神主さんでありました。
大菩薩峠:25 みちりやの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
弁信と鐙小屋あぶみごやの神主とのことで、この二人は別段、申し合わせたわけではないが、同時に発足の用意をはじめましたから、一座があわててその発足の理由をたしかめると、鐙小屋の神主さんは
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
はいはい、そうおっしゃるお声は、鐙小屋あぶみごやの神主様でございましたね。
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
あとで承ると、ここは乗鞍岳の麓で、鐙小屋あぶみごやという小屋の中でございました。わたくしに温かい心と、温かいお粥を下されたのは、この鐙小屋の中で行をしておいでになる神主さんだと承りました。
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
鐙小屋あぶみごやの神主でもはらいきれまいよ
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
『浅吉さん、鐙小屋あぶみごやへですか』
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
『浅吉さん、鐙小屋あぶみごやですか』
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)