“銀屑”の読み方と例文
読み方割合
ぎんせつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
崖松がけまつをすかして下をのぞくと真っ白だ。乱岩らんがんに散る波の銀屑ぎんせつである。そして白い無数の渦潮、或いは青黒い渦である。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何時ものぼとぼとと重い牡丹ぼたん雪とちがって、氷を削ったような銀屑ぎんせつが風を交ぜて吹きなぐった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
するといきなり眼の前に、ドウーッとっ白なものが光った。青い光線がひえびえと流れこんできた。見るとそれはきしをあらう渓流けいりゅうである。岩をかんで銀屑ぎんせつをちらす飛沫しぶきである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)