醜穢しゅうわい)” の例文
何とかが如何どうとかして、掃溜はきだめの隅で如何どうとかしている処を、犬に吠付かれて蒼くなって逃げたとか、何とか、その醜穢しゅうわいなること到底筆には上せられぬ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「同時に、横浜愚連隊は、醜穢しゅうわいなる石炭成金高瀬理平の家族に、精神的、或いは物質的に、社会的制裁を思い知らしてやることを、ここで、宣言しようじゃないか」
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かく願うことはわれらの現実の弱小じゃくしょう醜穢しゅうわいなる心的状態を省みるとき、あまりに誇大なるごとく見ゆるけれども、私は願いはいかに大きくても大きすぎることはないと思う。
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)