酒壺さかつぼ)” の例文
雷電の熱効果、器械的効果を述べる中に、酒壺さかつぼに落雷すると酒は蒸発してしまって壺は無事だというような例があげてある。
ルクレチウスと科学 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
そして彼らについて出て見ると、園の蓄水池ちくすいちほとり、涼しげな楊柳ようりゅうの木蔭に、むしろをのべ、酒壺さかつぼを備え、かごには肉の料理やら果物くだものを盛って、例の与太もン二、三十が恐れかしこんで待っている。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なかなかにひととあらずは酒壺さかつぼに成りてしかもさけみなむ (同・三四三)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
よき人よ、盃と酒壺さかつぼを持って来い
ルバイヤート (新字新仮名) / オマル・ハイヤーム(著)
たかのように精悍せいかんな眼をして、起きるとたんに右の手には、枕元にあった革巻かわまきの野太刀を膝へよせていた。野武士の着るような獣皮の袖無しを着、飲みからしの酒壺さかつぼが、隅の方に押しやってある。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)