鄙陋ひろう)” の例文
淳朴じゅんぼくを旨とし清潔を貴び能く礼譲の道を修め、主客応酬の式すこぶる簡易にしてしかもなお雅致を存し、富貴も驕奢に流れず貧賤も鄙陋ひろうに陥らず
不審庵 (新字新仮名) / 太宰治(著)
談柄だんぺい必ず肉体の区域に入りて、見苦しく聞き苦しきものは十中の七、八なるべし。畢竟ひっきょう我が人文のなお未だ鄙陋ひろうを免れざるの証として見るべきものなり。
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
国令を奉ずと云うを口実として、言語道断なる醜体を顕わすと云は、鄙陋ひろう千万、不見識も亦甚しきと謂べし。
洪川禅師のことども (新字新仮名) / 鈴木大拙(著)
しかしこうしてこの日本流の落語なりまた滑稽談なり、特に下等の民間に行わるる鄙陋ひろうなればなおじょすべしといえども、堂々たる上流の士君子と称する輩が、自ら鄙陋を犯してまた鄙陋を語り
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)