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遣手婆
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やりてばば
ふりがな文庫
“
遣手婆
(
やりてばば
)” の例文
遊廓にむかし
遣手婆
(
やりてばば
)
というものがあった。まさにそんな呼吸をよくのみこんでいる
閻婆
(
えんば
)
のしぐさ。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
医者とも見える眼鏡の紳士が一人。汚れた
襟付
(
えりつき
)
の
袷
(
あわせ
)
に
半纏
(
はんてん
)
を重ねた
遣手婆
(
やりてばば
)
のようなのが一人——いずれにしても
赤坂
(
あかさか
)
麹町
(
こうじまち
)
あたりの電車には、あまり見掛けない人物である。
寺じまの記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
又は茶色に変色した虐待致死の
瘢痕
(
はんこん
)
を
砥
(
といし
)
の粉で
蔽
(
おお
)
うて、皮膚の皺や、繃帯の
痕
(
あと
)
を押し伸ばし押し伸ばしお
白粉
(
しろい
)
を施して行く手際なぞは、実に驚くべきもので、多分遊廓の
遣手婆
(
やりてばば
)
が
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
本家から正明に附属してきた老女が、(これは、言いようない愚昧な女だったが)初心な娼婦をなやす
遣手婆
(
やりてばば
)
のように、心得顔に万事をとりしきって、分家のなにびとにも有無をいわせなかった。
金狼
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
遣
常用漢字
中学
部首:⾡
13画
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
婆
常用漢字
中学
部首:⼥
11画
“遣手”で始まる語句
遣手
遣手衆
遣手新造
遣手面
遣手部屋