“辻待(つじま)” の例文
葉子はわざと宿で車を頼んでもらわずに、煉瓦(れんが)通りに出てからきれいそうな辻待(つじま)ちを傭(やと)ってそれに乗った。そして池(いけ)の端(はた)のほうに車を急がせた。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
かれらは京橋の北詰で辻待(つじま)ちをした。雨の日でもそこへゆけば、駕籠が空いている限り二人はそこで客を待っていた。
秋の駕籠 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
彼は運転台で、背を丸くし、鳥打帽をまぶかにして、うらぶれた辻待(つじま)ちタクシーの運転手を装った。
虫 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
その時女はそのへんに辻待(つじま)ちをしている車に乗ろうとする所だった。取りにがしてなるものかと、葉子はひた走りに走ろうとした。しかし足は思うようにはかどらなかった。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)