軽便鉄道けいべんてつどう)” の例文
旧字:輕便鐵道
枕木の向こうに青白くしょんぼり立って、赤い火をかかげている軽便鉄道けいべんてつどうのシグナル、すなわちシグナレスとてもまったくそのとおりでした。
シグナルとシグナレス (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
軽便鉄道けいべんてつどうというのだそうだが、狭くてのろい上にガタ/\して一向便利でない。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
吉野口で乗りかえて、吉野駅まではガタガタの軽便鉄道けいべんてつどうがあったが、それから先は吉野川に沿うた街道かいどうを徒歩で出かけた。万葉集にある六田むつだよど、———やなぎわたしのあたりで道は二つに分れる。
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
ほんとうにジョバンニは、夜の軽便鉄道けいべんてつどうの、小さな黄いろの電燈でんとうのならんだ車室に、まどから外を見ながらすわっていたのです。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
今は風があんまり強いので電信柱でんしんばしらどもは、本線ほんせんの方も、軽便鉄道けいべんてつどうの方もまるで気が気でなく、ぐうん ぐうん ひゅうひゅう と独楽こまのようにうなっておりました。
シグナルとシグナレス (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
軽便鉄道けいべんてつどうの東からの一番列車れっしゃが少しあわてたように、こう歌いながらやって来てとまりました。
シグナルとシグナレス (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)