転宿やどがへ)” の例文
蓮華寺れんげじでは下宿を兼ねた。瀬川丑松うしまつが急に転宿やどがへを思ひ立つて、借りることにした部屋といふのは、其蔵裏くりつゞきにある二階の角のところ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
丑松が転宿やどがへを思ひ立つたのは、実は甚だ不快に感ずることが今の下宿に起つたからで、もつとまかなひでも安くなければ、誰も斯様こんな部屋に満足するものは無からう。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
気掛りなは下宿の主婦かみさん思惑おもはくで——まあ、この突然だしぬけ転宿やどがへを何と思つて見て居るだらう。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)