軍神いくさがみ)” の例文
「汝は、曹操の間諜であろう。出陣の血まつりに、軍神いくさがみへ供えるには、ちょうどよい首と、今日まで汝の胴に持たせておいたが、もう好かろう。いざ祭らん」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
軍神いくさがみわがかたのうへ
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
來りて護れ軍神いくさがみ
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
そして、かつて軍神いくさがみ信玄しんげんが、甲山こうざんの兵をあげて、梟雄きょうゆう家康いえやすへ、乾坤けんこんてき血戦けっせんをいどんだ三方みかたはら
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鬼もひし軍神いくさがみとも見えたその人が、薄暮の野を見まわして、われともなくそう呟いているすがたは、まるで帰らぬ子を門辺かどべに出て待っている母のように他念なかった。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)