つまづ)” の例文
さうだ! そんなことは幾何でもある、わしもさう思つてやつたのだ。が、向うでははじめから謀つてやつた仕事だ。わしが少しでも、つまづくのを
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
心洵に神にあこがれていまだその声を聴かざるもの、人知れず心の悩みに泣くもの、迷ふもの、うれふるもの、一言すればすべて人生問題につまづきずつきて惨痛の涙を味へるもの
予が見神の実験 (新字旧仮名) / 綱島梁川(著)
カムパニアの野にはあざみ生ふといへど、その薊には尚紅の花咲くことあり。富貴の家なる、なめらかなる床には、一もとの草だに生ひず。その滑なる上を行くものは、つまづき易しと聞く。アントニオよ。
つい、つまづいたら、飛びかゝつてやらう位にしか思つてゐないのですもの。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)