賭博場ばくちば)” の例文
賭博場ばくちばころげ歩き、芸妓屋の情夫にいさんになったり、鳥料理とりやの板前になったり、俥宿の帳附けになったり、かしらの家に厄介になったり、遊女おいらんを女房にしたりしているうちに
忠太郎 初めて逢う母親がゆたかに暮していればいいが、さもねえ時はと賭博場ばくちばで目と出た時に貯めた金よ。俺あ行くぜ。半次、堅気になった姿を、いつか一度きっと見に行くぜ。
瞼の母 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
ドバなら知て居る仏英の間の海峡(谷)困るなア冗談じゃ無いぜ賭場とは賭博場ばくちばだアネ(大)成るほど賭場は博奕場ばくちばか夫なら博奕場の喧嘩だネ(谷)爾サ博奕場の喧嘩で殺されたのよ博奕場だから誰も財布の外は何ももって行ぬがサア喧嘩と云えばすぐに自分の前に在る金を
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
忠太郎 一両出したとて怪しむな、俺あぬすじゃねえ、見る通りのヤクザなんだ。汗をかいて稼いだ金じゃなし、多寡が出たとこ勝負、賭博場ばくちばの賽の目次第で転げ込んだ泡沫銭あぶくぜにだ。
瞼の母 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)