賛否さんぴ)” の例文
さて会話は、こんなことで、賛否さんぴこもごも花が咲いて、あいだに配達の夕刊がとどいたので、ちょっと話がとぎれたぐらいのことでした。
先刻せんこくから、賛否さんぴいずれともいわなかった、年のころ二十五、六さい小柄こがらな紳士は、そのとき突然とつぜん立ちあがって
ジェンナー伝 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
と、のみで、敢えて彼はそのどっちへも、賛否さんぴを明らかにしなかった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これが哲学といふものを覗いて見た初で、なぜハルトマンにしたかといふと、その頃十九世紀は鉄道とハルトマンの哲学とをもたらしたと云つた位、最新の大系統として賛否さんぴの声がかまびすしかつたからである。
妄想 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
生徒、賛否さんぴ両論ガヤガヤ。
新学期行進曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「いかにも。石見守いわみのかみどの、ご賛否さんぴはいかが」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)