負担ふたん)” の例文
旧字:負擔
小身の者ほど、こういうときは、厚くしてやるのが目上の義務である——という理由をとり、九郎兵衛は、大身には眷族けんぞく負担ふたんがある。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
早くその話を極めて家の負担ふたんを減らした方がいい、わずかな財産の分配をされるよりは当人のためにもいいと言ったり、もしも夫婦養子の口があれば
入江のほとり (新字新仮名) / 正宗白鳥(著)
しかるに財産の義務なるものは、わずかにその負担ふたんする税額ぐらいにとどまって、その額も重い重いと言いながら権利にくらぶれば、案外に軽いものと思われる。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
事情によっては年々経常費の一部を負担ふたんしてもいいということまで申し出て来ている。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
自習がいかにも負担ふたんのようだった。
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
ことに法文の読みようによっては、義務を忌避きひする道も随分ずいぶんある。ゆえに世に勢力ある人の中には種々なる口実こうじつをもって財産の義務をことごとく負担ふたんしないものがある。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
かつまたおのれの事業にして繁昌はんじょうすれば、営業税も余計に収め、もって国家に対する負担ふたんも喜んで増し、また海外に輸出額がふえればこれまた国産に貢献こうけんすることであるからなおまた国のためになる。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)