貞氏さだうじ)” の例文
元弘げんこういらい、ほとんど、別れ別れ、親と子、ひとつにいたこともないわしたちだった。父貞氏さだうじどのの御逝去のころを境に、世は大乱にむかい、われらは戦陣また戦陣——。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いまの当主貞氏さだうじに継いで、いつかは当然、又太郎高氏が、足利一族の棟梁とうりょうに立つ日がくる。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「……はてな」と見まわして「服喪ふくもは一年、先代貞氏さだうじなら、もう明けているはずだが」
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「申しおくれました。——下野国しもつけ足利ノ庄のじゅう貞氏さだうじの次男、足利又太郎高氏たかうじといいまする。十五で元服の折、治部大輔じぶのたゆう、従五位下をいただきましたが、何もわからぬ田舎者で」
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)