豪家ものもち)” の例文
日傘をし包を十文字に脊負せおい、ガラ/\下駄を穿いて豪家ものもちのお内儀さんでも買物に出まするくらいだから、お瀧も小包を提げて買物を致し、自分の家へ這入りに掛る処を茂之助が見付け
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
正兵衛といえるはこの村にて豪家ものもちの一人に数えらるる程の農民なるが、今しも三陸海嘯かいしょう義捐金ぎえんきんを集めんとて村役場の助役はきたりつつ、刀豆なたまめを植えたる畑の中に正兵衛を見つけて立ちながら話す。
厄払い (新字新仮名) / 徳田秋声(著)