變梃へんてこ)” の例文
新字:変梃
その後ろから間の惡さうに跟いて來るガラツ八、家中の者はこの騷ぎに驚いて飛び起きたか、とり/″\の變梃へんてこな樣子で、三人を遠卷にして固唾かたづを呑みました。
「……東京の女子をなご變梃へんてこな言葉を使ふぜ。一寸道を訊いても、ぺら/\と云うて何やら譯が分らん。」
入江のほとり (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
何でも校長といふ奴と、——僕も二三度見て知つてますが、鯰髭なまづひげの隨分變梃へんてこ高麗人かうらいじんでネ。その校長と素晴しい議論をやつて勝つたんですとサ。それでに二三日經つと突然免職なんです。
雲は天才である (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「伊藤さんがまた變梃へんてこな韓太子などをつれて來るさうぢやし」と、氷峰。
泡鳴五部作:03 放浪 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
八五郎が持つて來たのは、案山子かゝしに似た變梃へんてこなもので、平次にも何にに使つたものか見當が付きません。
あわて者のガラツ八は、今日もまた變梃へんてこなネタを嗅ぎ出して來た樣子です。