たくらみ)” の例文
そんな深いたくらみとは知る由もなく署長は二人の争いには困惑して結局、両人を捕縛した人に証言を求めようと思って四辺あたりを見廻したが紳士の姿はもうそこには見えなかった。
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)
元就の真意は、厳島へ我が大軍をひきつけ、安否の合戦して雌雄を決せんとのたくらみなるべし。
厳島合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「老いぼれ、顔をあげろ。医者の身として、予に毒を盛るなど、ただごとのたくらみではあるまい。汝をそそのかした背後の者をのこらず申せ。さすれば、そちの一命だけは助けてとらそう」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
医官たる身でありながら、悪人どもとむすんで、不逞なたくらみをしたため、自業自得ともいおうか、予の手に捕われて、このような醜態を、各〻のご酒興にそなえられる破目となりおったものである。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)