諸分しょわけ)” の例文
恋の諸分しょわけによくいうやつだが「眼も口ほどにものをいい」全くだ、あれは無情の石でも木でも草でも、眼に映る物なら何にでも色をしいている眼だ。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
芸者なんぞになったとて、色も諸分しょわけも知抜いた、いずれ名取のおんなども、処女むすめのように泣いたのである。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「七尾はともかく、おぬしは産物の諸分しょわけに通じているはずだから、おおよその察しはついたろう」
ボニン島物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)